2014年9月13日から2014年11月3日まで開催しています。
有名な龍馬が霧島温泉で乙女姉さんに宛てた手紙(複製)や木戸孝允宛の新政府横領八策をはじめ、西郷隆盛、桐野利秋、月照、吉田松陰、高杉晋作、木戸孝允など、幕末明治維新の英傑たちの書が勢揃い。とても見応えがありました。
明治7年の台湾に訪れた際に現地で詠んだ詩
大久保のファンサイトなので、ここでは、甲東先生の書を紹介したいと思います。甲東先生の書は2点ありました。
1点は村田巳三郎宛の貼り合わせ屏風で、人物は橋本左内、西郷隆盛、梅田雲浜、大久保利通、吉田松陰、横井小楠、木戸孝允、坂本龍馬のものでした。
こちらは、残念ながら解読中とのこと。当時の手紙の文字はまったく読めないため、解説がないとさっぱりわかりません。
合わせ屏風の書は全て複製とのことですが、これほどの人物の書を合わせたものは珍しいですね。
もう1点は、明治7年の台湾に訪れた際に現地で詠んだものでした。
五湊一到無催兇戦克三千
兵氣雄清道皇威及奏域
石門頭上旭旗風 甲東(印)
兵氣雄清道皇威及奏域
石門頭上旭旗風 甲東(印)
<大意>
五湊にこうして今訪れてみると、暴虐を働くものもいない。
戦に勝利をおさめ、三千の兵の心意気も高い。
清められた皇威(天皇の権威)が今この地にも及び、石門(チオムイ)の頭上に旭旗(日の丸が)はためいている
五湊にこうして今訪れてみると、暴虐を働くものもいない。
戦に勝利をおさめ、三千の兵の心意気も高い。
清められた皇威(天皇の権威)が今この地にも及び、石門(チオムイ)の頭上に旭旗(日の丸が)はためいている
大久保の粘り強い交渉が浮かぶ
大久保の粘り強さが勝った清との交渉が浮かびます。天皇の権威によって兵の心意気も高く、暴虐がなかったことは清との交渉を進める大久保にとってプラスに働いたと思います。
当時、大久保との交渉により清は日本軍の行動を「義挙」と認め、賞金50万両を支払うとの条件を約束しています。
また、余談ですが、台湾出兵後の帰国の際、横浜で多くの民衆が大久保を歓迎していたことが当時の新聞にも載っていますし、本人も驚いたというのを日記で残しています。
「自ら心中快を覚ゆ、嗚呼此の如き大事に際す、古今稀有の事にして、生涯亦無き所なり」
(※「大久保利通」毛利敏彦 中公新書 190頁参照)
閑話休題、大久保の書以外にも多くの志士の書が見れるので、横浜近辺に在住の方はぜひ見に行ってみてはいかがでしょうか。
会場案内などはこちらから→「全国龍馬ファンの集い関東大会」(※別サイトに飛びます。)
◆参考
「大久保利通」毛利敏彦 中央公論新社 1969年初版
「第26回 全国龍馬ファンの集い関東大会 IN 横浜 特別企画展 幕末維新遺墨展 目録」